曹洞宗
日本には様々な仏教や宗派があり、その宗派によって教えや葬儀なども違ってきます。 その中でも曹洞宗は特徴的な宗派となります。 曹洞宗について詳しく解説していきます。
曹洞宗とは
曹洞宗とは、中国の禅宗五家の1つになり、日本仏教では三禅宗の1つになります。 鎌倉時代に道元禅師が、中国から日本に仏法を伝えたことが始まり、瑩山禅師が全国に広めました。 本山は福井県にある永平寺と神奈川県の總持寺の2つとなり、この2つを両大本山と言います。 曹洞宗ではお釈迦様がご本尊とされて、南釈迦牟尼仏と共に一仏・両祖としています。
葬儀の特徴
曹洞宗では、死後はお釈迦様の弟子となり仏界で修業を続けるとするため、その修業に必要な戒名である「授戒」や、仏界へ導くための「引導」の儀式を行います。 これを行うのが僧侶ですが、故人を導くため「導師」と呼ばれます。 曹洞宗の葬儀は、他の宗派の葬儀とは違う特徴的なことが多くなっています。
◆儀式
特に特徴的な儀式が、鼓鈸三通(くはつさんつう)と呼ばれる儀式です。
太鼓や鐃鈸(じょうはつ)と呼ばれるシンバルのようなもので大きな音を鳴らす儀式です。
葬儀中に2回行われ、大宝楼閣陀羅尼というお経が読まれている時です。
これは、仏の悟りの世界へ故人を送るために鳴らしていると言われています。
◆数珠
曹洞宗では葬儀や法要で使用する数珠が、金属の輪が付いているものになります。
座っている時には左手首にかけ、歩いている時は左手でふさを下に垂らして持ちます。
合唱の際には、左手の親指と人差し指の間にかけます。
◆焼香の作法
他にも他の宗派と違う点は、焼香の作法です。
曹洞宗の場合は焼香が2回となります。
1回目はお香を押し頂き、2回目では1回目よりも少なめのお香を押し頂かずに行います。
地域や葬儀内容によって異なる場合もありますが、一般的な曹洞宗の葬儀ではこのように行います。
◆香典の表書き
一般的には葬儀の香典には「御霊前」と表書きに記載し、法要で「御香典」や「御香料」と記載します。
しかし曹洞宗では、「霊」という概念がないため葬儀の香典も「御香典」もしくは「御仏前」と記載します。
他の宗派と違う点になるので、葬儀前には確認が必要な部分です。
お布施と相場
曹洞宗の場合、葬儀の形式や人数などによってお布施など葬儀の相場が違ってきます。 これは、曹洞宗の考えである「授戒」と「引導」が関係しています。 授戒には戒名料が必要となりますし、引導のための鼓鈸三通の儀式では一人で行えない作法なので複数人呼ぶことになります。そのため費用がかさむことが考えられるのです。
ただし僧侶の人数が増えるとその分お布施も必要になりますし、戒名する位によっても料金が変わります。
曹洞宗の一般的な戒名は「信士(男性)・信女(女性)」となり、6文字で表現されるものになります。 この場合の戒名料金の相場は15~30万円くらいです。 その次に特別戒名であり、信士・信女よりも位の高い「居士(男性)・大姉(女性)」も6文字です。 寺院に貢献した人などに付けられ、相場は30~50万円です。 「院居士(男性)・院大姉(女性)」と呼ばれる特別戒名は9文字となり、戒名の最高位に当たります。 この場合は100万円くらいからが相場と高額になります。 もちろん土地やお寺の格式によっても料金は異なりますが、位が上がるごとに料金は高額になります。
宗派 関連記事
曹洞宗
日本には様々な仏教や宗派があり、その宗派によって教えや葬儀なども違ってきます。 その中でも曹洞宗は特徴的な宗派となります。 曹洞宗について詳しく解説していきます。曹洞宗の詳細をもっと読む
真言宗
さまざまな宗教や宗派がありますが、密教である真言宗は葬儀などに特徴があり、他の宗派とは違った部分があります。どういった違いがあり、お布施などの相場はどのようになっているのか解説していきます。真言宗の詳細をもっと読む
浄土宗
日本にあるさまざまな宗派の中でも、よく耳にする浄土宗ですが、どういった宗派であり葬儀の際にはどのような特徴があるのかご存知でしょうか? いざという時に、浄土宗の葬儀や法要の作法を知っておくと便利です。 浄土宗の葬儀やお布施の相場などについて詳しく解説していきます。浄土宗の詳細をもっと読む
臨済宗
禅宗の1つである臨済宗は、日本最大級の禅宗であり、たくさん宗派があることが特徴です。 宗派によって多少は葬儀の礼儀や作法が異なりますが、基本的な臨済宗の葬儀の特徴などを解説していきます。臨済宗の詳細をもっと読む
浄土真宗
浄土真宗は浄土宗と混合して考えてしまう人もいますが、違う宗派です。 浄土信仰に基づく宗派となり、どちらも主要な日本の仏教宗派ですが、違った葬儀の特徴やマナーがあります。 浄土真宗の葬儀の特徴などについて詳しく解説していきます。浄土真宗の詳細をもっと読む